ブルゴーニュ地方



■概要
ブルゴーニュ地方はボルドー地方と並ぶワインの銘醸地。
パリから特急で約2時間の内陸部に位置し、
南北約300qにわたって世界にに名だたるワインの産地が
続いている。
ぶどうの総栽培面積は約4万ha、年間生産量は約25万kl。

ぶどう栽培が始まったのは大変古く、特に12世紀には
教会の修道僧たちによって積極的に畑が開墾された。
そこから生まれたワインの中には、現在なお高い名声を
保ち続けているものがいくつもある。

ブルゴーニュワインの特徴は、ボルドーとは異なり
単一の品種からつくられることである。
しかし味わいは決して単一ではなく、土壌やつくり手などの
違いによってそれぞれに大変個性豊かである。

■生産地とぶどうの品種
ブルゴーニュを代表するのは北からシャブリ、
コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌ、コート・シャロネーズ、マコネ、ボージョレの6地区である。

世界的に知られる赤ワインの産地はコート・ド・ニュイ地区と
コート・ド・ボーヌ地区。
どちらもピノ・ノワール種を使った単醸ワインを産するが、
土壌が複雑に変化しているため、前者は芳醇で深みのある味わい、
後者はそれより多少穏やかな味わいとなる。

コート・シャロネーズ地区もピノ・ノワール種単一の赤ワインの
産地だが、混醸ワインもつくられている。

ボージョレ地区は気軽に飲めるフルーティな
赤ワインの産地として有名である。
原料はガメィ種だが、北部は花崗岩質、何部は粘土質と土壌が
異なるため、北部では南部よりややコクのあるタイプの
ワインができる。

一方白ワインは大半がシャルドネ種からつくられる。
最も有名な産地は、辛口白ワインの代名詞ともなっている
シャブリ地区。
また前述のコート・ド・ボーヌ地区でも、「モンラッシェ」
に代表される良質の辛口白ワインを産出しており、
赤ワインよりむしろこちらのほうが評価が高い。
マコネ地区も自ワインの産地として有名。

■格付けとラベル表示
ブルゴーニュ地方のAOCワインは地方名、地区名、村名、畑名に
細分化されており、最小単位である畑名をラベル表示したワインが
最も格上となる。
たとえばコート・ド・ニュイ地区のジュヴレイ・シャンベルタン村で
つくられたワインは、村名が付いた「ジュヴレイ・シャンベルタン」
より、特級畑名が付いた「シャンベルタン」のほうが格上である。

畑はさらに特級畑(グラン・クリュ Grand Cru)と
1級畑(プルミエ・クリュ Premier Cru)に
格付けされる。

シャブリ地区では上からシャブリ・グランクリュ、
シャブリ・プルミエ・クリュ、シャブリ、プティ・シャブリの
格付けがあり、上位2つは畑名がラベルに併記される。

ボージョレ地区でもボージョレ、ボージョレ・シューペリュール、
ボージョレ・ヴィラージユ、クリュ・ボージョレ
(村名付きボージョレ)にランク付けされており、
このうちクリュ・ボージョレは、指定された10カ所の村の名が
ワイン名としてラベルに表示される。

ジュヴレイ・シャンベルタン・レ・カゼティエ


特級畑銘柄と並ぶ傑出の赤


産地:コート・ド・ニュイ地区ジュヴレイ・シャンベルタン村
   レ・カゼティエ畑
格付:1級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:フルボディ/辛口
色:やや明るいルビー
香:ペリー系の香り
味:芳醇なコク

ジュヴレイ・シャンベルタン村は偉大な赤ワイン産地のひとつ。
村には9つの特級畑と20を超す1級畑があり、
1級畑銘柄といえども、特級畑に勝るとも劣らぬ素晴らしいワインを
数多く産出している。

「レ・カゼティエ」もそのひとつ。
畑名のみでワイン名を名乗れる特級畑のものと異なり、
1級畑のものは畑名に村名を伴ってラベル表示される。
畑名の付かない単なる村名AOCワインには平凡な出来のものも
あるので、「ジュヴレイ・シャンベルタン」の本領を知るには、
傑出した1級畑銘柄から入るのが近道である。

なお、ブルゴーニュの畑はボルドーと異なり、
複数の所有者によって分割されているのが特徴。
写真のワインのつくり手は、ブルゴーニュ地方で最も優れた
醸造家の一人、アルマン・ルソー。

シャンベルタン


ナポレオンが愛したワイン

産地:コート・ド・ニュイ地区ジュヴレイ・シャンベルタン村
   シャンベルタン畑
格付:特級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:フルボディ/辛口
色:濃いルビー色
香:優雅なスミレの香り
味:ビロードの舌触りと喉ごし

かつてナポレオンが愛飲したことでも知られる
ブルゴ一二ュの代表的な赤ワイン。長期熟成タイプの傑作である。
シャンベルタン畑は13世紀に開かれた歴史あるもので、
地続きの「シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ」とともに
特級畑の中でも格別の扱い。
わずか13haの畑ながら、現在は15あまりの栽培業者が
分割所有している。

写真のワインのつくり手はアルマン・ルソー。

ミュジニー


伯爵家の絹のワイン


産地:コート・ド・ニュイ地区シャンボール・ミュジ二一村
   ミュジニー畑
格付:特級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:フルボディ/辛口
色:明るいルビー色
香:ペリー系の芳香
味:柔和で繊細な味わい

男性的なイメージが強いブルゴーニュの中では
珍しく女性的な味わいで「絹のワイン」と形容される。

写真の赤ワインのつくり手ジョルジュ・ド・ヴォギュエ伯爵家は、
ミュジニーの畑の大部分を所有する名門。
この「キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィニュ」は、樹齢40年の
ぶどうの樹からつくられた逸品中の逸品である。

また同畑では、ごくわずかだがシャルドネ種から
辛口白ワインもつくられている。



クロ・ヴージョ


ブルゴーニュタイプの典型



産地:コート・ド・ニュイ地区ヴージョ村クロ・ヴージョ畑
格付:特級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:ミディアムボディ/辛口
色:やや明るいルビー色
香:果実香の余韻、ほのかなトリュフ香
味:コシの強い芳醇な味わい

ヴージョ村唯一の特級畑。「クロ・ド・ヴージュ」ともいう。
50haの畑に80人以上の所有者がいるため、つくり手によって
ワインの個性が違う。

ちなみに「クロ」とは囲いをしたぶどう園のこと。
クロ・ド・ヴージョ城は利き酒の権威「ワインの騎士団協会」
本部でもある。

ボージョレ・ヌーヴォー


ワインの初物・ボージョレ・ヌーヴォー

ぶどうを収穫したその年の秋に出荷される新酒を
ヌーヴォー・ワインという。
ヌーヴォーの名を世界に轟かせたのはボージョレ地区の新酒。
この地域独特のマセラシオン・カルボニック
(炭酸ガス浸潰)方式によってわず4O日ほどでつくられ、
苦みが少なくフルーティな味わいである。

ボージョレ・ヌーヴォーは毎年11月の第3木曜日
午前O時をもって解禁となる。
以前は一律に11月15日と決められていたが、
レストランの休業日である日曜や月曜に重なると
もうひとつ盛り上がりに欠けるため、レストランが必ず
営業している木曜日に落ち着いた。
日本では時差の関係で本場フランスより8時間早く
(したがって世界で最も早く)解禁となる。

ヌーヴォー・ワインは早飲みタイプの最たるもの。
遅くともその年の内に飲み切ってしまいたい。









エシェゾー


格調高いブルゴーニュの赤


産地:コート・ド・ニュイ地区フラジェ・エシエゾー村エシェゾー畑
各付:特級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:ミディアムボディ/辛ロ
色:やや明るいルビー色
香:ベリー系の香り、蜂蜜の香り
味:優雅な中にもしっかりした骨格

この村にはエシェゾーとグラン・ゼシェゾーの
隣接した2つの特級畑がある。
正確にはヴォーヌ・ロマネ村の北方、ヴージョ村寄りの飛び地に
位置し、両村の特級畑に劣らない格調高い赤ワインを産出している。「グラン・ゼシェゾー」は長命、「エシェゾー」は優美といわれるが、
酒質に優劣はつけがたい。

写真のワインのつくり手は、フィルターを通さず瓶詰めすることで
知られるドメーヌ・デュジャックで、日本でも人気が高く品薄。

ロマネ・コンティ


ワインの王様の中の王様


産地:コート・ド・ニュイ地区ヴォーヌ・ロマネ村
   ロマネ・コンティ畑
各付:特級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:フルボディ/辛口
色:深いルビー色
香:スミレとチェリー、トリュフの香り
味:ビロードの喉ごし

ルイ14世の時代からこの畑が産む
ワインの素晴らしさはつとに有名。
ルイ15世の愛妾ポンパドール夫人も、なんとかこの畑を
自分のものにしようと画策、時の宰相コンティ公との間に
争奪戦まで起こった。

結局コンティ公が勝利し、現在の畑名になったが、
もし逆なら「ロマネ・ポンパドール」畑になっていたかも。

現在、畑はロマネ・コンティ社のモノポール(単独所有)。
生産量は少ない。

ラ・ターシュ


ロマネ・コンティを凌ぐ評価も


産地:コート・ド・ニュイ地区ヴォーヌ・ロマネ村
   ラ・ターシュ畑
格付:特級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:フルボディ/辛口
色:深いルビー色
香:スミレとトリュフの香り
味:スパイシーな風味

世界最高峰の銘酒「ロマネ・コンティ」を産む
ヴォーヌ・ロマネ村には、現在6つの特級畑がある。
なかでもこの「ラ・ターシュ」はロマネ・コンティに次ぐ
地上最良のぶどう畑といわれており、そこで生まれるワインの
豪華でかつきめの細かい味わいは、時にロマネ・コンティを
凌ぐという評価さえある。

畑の広さはロマネ・コンティの3倍強の6ha。
写真はやはりロマネ・コンティ社のモノポールである。

リシュブール


ブルゴーニュ珠玉のワイン



産地:コート・ド・ニュイ地区ヴォーヌ・ロマネ村
   リシュブール畑
格付:特級畑名AOC
品種:ピノ・ノワール
タイプ:フルボディ/辛口
色:やや濃いルビー色、液温にオレンジ色
香:木苺、スパイス、トリュフの香り
味:ビロードの舌触り

ヴォーヌ・ロマネ村の特級畑はロマネ・コンティ畑、
ラ・ターシュ畑のほかに「ラ・ロマネ」、
「ロマネ・サン・ヴィヴァン」、’91年に1級畑から
昇格した「ラ・グランド・リュ』、そしてここに紹介する
「リシュブール」の6つ。

ロマネ・コンティの北隣に広がるリシュブールは、
最もブルゴーニュらしい性格といわれている。
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