ワインの種類


■ワインはぶどうの醸造酒

ワインとは、ぶどうの搾り汁を発酵させてつくる醸造酒のことで、
ラテン語のヴィヌム(vinum・ぶどう樹)が語源。
ビールや日本酒も同じく醸造酒の仲間である。

これに対して、ブランデーやウィスキーのように
原料を発酵させた後、さらに蒸留してつくる酒を蒸溜酒、
またカクテルの材料としてお馴染みのリキュールのように、
醸造酒や蒸溜酒に種々のエキスを加えたものを混成酒という。

■ワインの分類

[色による分類]
赤ワイン、白ワイン、ロゼワインに分かれる。
色の違いは、原料であるぶどうの品種と
ワインの製造方法によるもので、赤とロゼは黒ぶどうから、
白は白ぶどうからつくられる。
またフランスのジュラ地方には、
独特の黄ワイン(ヴァン・ジョーヌ)がある。

[味による分類]
辛口から甘口までさまざまなタイプがある。
辛口といってもワインの場合はヒリヒリするホットな辛さのことでは
なく、甘さを感じないドライな辛さをいう。

おおむね、食中酒には赤も白も辛口が好まれ、デザート用のワインには
白の甘口が好まれる。

[熟成期間による分類]
ワインがウィスキーなど他の酒と大きく違うのは、製造過程で
瓶詰めされた後、瓶の中でもさらに熟成を続けるという点である。
シャトー・ラトゥールのような長期熟成タイプのワイン
(クラシック・ワイン)は、10年〜20年という長い熟成期間を
経て、やっと本来の風味を発揮する。

反対にあまり熟成させず、ぶどうの収穫から数年以内に飲んでしまう
早飲みタイプのワインもある。
有名なボージョレ・ヌーヴォーは9月にぶどうを収穫し、
その年の11月に飲み始める早飲みタイプの代表である。

[製造法による分類]
製造方法の違いにより、大きく次の4つに分類される。

 1.スティル・ワイン
 通常私たちがワインと呼んでいるもので、発酵過程において生じた
 炭酸ガスを残していない、非発泡性のワインを指す。

 2.スパークリング・ワイン
 炭酸ガスの入った発泡性のワイン。
 代表格は、ご存知シャンパン。

 3.フオーテイファイド・ワイン
 発酵途中でブランデーなどアルコール度数40度以上の
 蒸溜酒を加えて発酵を止め、味にコクを持たせるとともに、
 アルコール度(酒精)を高めたもの。
 酒精強化ワインともいい、スペインのシェリーや
 ポルトガルのポートが有名である。

4.フレーヴァード・ワイン
ワインの中に薬草や香草類、果実、蜂蜜などを添加して風味付け
したもの。
アロマタイズド・ワインともいう。
イタリアのヴェルモットやスペインのサンダリア、ギリシアの
レツィナなどが代表的。

ぶどうの品種


■よいワインはよい品種から

ワインの色・香り・味わいは一本一本微妙に異なり、
非常に個性的である。そういった個性の違いは
どこからくるかというと、実はぶどうの品種によるところが
大きいのである。

ワインを知るには、まず品種を勉強するのが早道だ。
それにはいろいろな品種を飲み比べてみるのが一番。
ワインには単一の品種からつくられる単醸ワインと、
複数の品種からつくられる混醸ワインとがあるので、
もちろん単一品種のもので試すとよい。

単醸ワインはカリフォルニアやドイツ、フランス・アルザス地方
などでつくられている。

品種の特徴がわかるようになると、たとえ銘柄がわからなくても
「シャルドネ種でおすすめのものを」とか
「ピノ・ノワール種で飲み頃のものを」というように、
品種名だけで好みのワインを手に入れることができる。

■ぶどうの代表的品種

ぶどうの品種は全世界に5,000種以上ある。
その中でワインの原料になるものは約100種類。
また同じ品種でも、国や地域によって名称や味わいが違う。
ここで紹介するのは、日本で飲まれることの多い
代表的な品種である。

【赤ワイン用品種】

・カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
ボルドー地方の最優良品種。複雑で深い味わいのワインを産む。
ボルドーでは他の品種と混醸するが、カリフォルニアでは単一の
ものの評価が高い。

・メルロ(Merlot)
ボルドー地方の最良品種のひとつ。サン・テミリオンや
ポムロール地区で主に用いられ、肉厚でコクのある良質な
ワインを産む。カベルネ・ソーヴィニヨンと相性がいい。

・シラー(Syrah)
フランスのコート・デュ・ローヌ地方やオ
ーストラリアで栽培されている品種。深紅
色を帯びたタンニンの多い重い飲み口のワ
インを産む。

・ピノ・ノワール(Pinot Noir)
フランス・ブルゴーニュ地方の最優良品
種。単一で用いられ、ビロードのようなき
め細かい味わいのワインを産む。シャンパ
ーニュ地方でも用いられる。

・ガメイ(Gamay)
ブルゴーニュ地方ボージョレ地区の赤ワインに用いられる品種。
花崗岩質の土壌で最もよく生育し、フルーティで
ライトな味わいを醸し出す。

・テンプラニーリョ(Tampranillo)
スペイン・リオハ地方の代表的品種。
繊細で大変香りがよく、コクのある良質のワインを産む。
スペイン産ぶどうのスター的存在である。


【自ワイン用品種】

・シャルドネ(Chardonnay)
フランス・ブルゴーニュ地方やカリフォルニアの代表的品種で、
非常に優れた辛口ワインを産む。
シャンパ一二ュ地方の最優良品種のひとつでもある。

・ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
ボルドー地方やロワール地方の品種。
ボルドーではセミヨン種と混醸されるが、ロワールでは単独で
用いられ、さわやかな酸味の辛口ワインを産む。

・ミュスカデ(Muscadet)
フランス・ロワール地方のナント地区周辺で栽培されている。
ブルゴーニュ出身の霜害に強い品種で、
フレッシュで軽い辛口タイプのワインを産む。

・セミヨン(Semillon)
フランス・ボルドー地方のグラーヴやソーテルヌ地区で
多く栽培されている。
ソーヴィニヨン・ブラン種と混醸され、辛口にも甘口にも用いられる。

・リースリング(Riesling)
ドイツやフランス・アルザス地方の代表的品種。
さわやかな果実味と豊かな酸味を持った秀逸なワインを産み、
長期熟成にも耐える。

・ゲヴュルツトラミネール(Gewurztraminer)
ゲヴュルツはスパイスを意味するドイツ語。
フランス・アルザス地方やドイツなどで多く使われる。
ライチのような独特の芳香があり、味はまろやか。

ワインの格付けとは



格付けとは、各国のワイン法に基づいて
ワインを分類したもので、
ワインの原料となるぶどうの品種と原産地を基本にしている。

格付けはラベルに必ず明記されており、
ラベルを読めばたちまちにしてそのワインが
どのクラスのものかがわかるようになっている。


EU(欧州連合)の格付け


ヨーロッパではEUの定めたワイン法により、
ワインをまず「指定地域優良ワイン」と「テーブルワイン」
の二つに大別している。

指定地域優良ワインとは、たとえば
「ブルゴーニュ地方ヴォーヌ村」のように、
国家が指定したある特定の地域で栽培されたぶどうを使って
醸造されたワインをいう。

一方、指定地域以外で栽培されたぶどうを使った場合や、
2カ所以上の異なる産地のぶどうをブレンドして醸造した場合は、
テーブルワインと呼ばれる。

生産量が多いのは圧倒的にテーブルワインだが、
主に日常用として生産国内で消費され、輸出量は少ない。

EUに加盟しているワインの主要生産国では、それぞれの国内の
ワイン法により、この2つをさらに細かく格付けしている。

フランスの格付け



フランスでは、指定地域優良ワインをさらに
AOC(アペラシオン・ドリジン・コントローレ)
と、AOVDQS(アペラシオン・ドリジン・ヴァン・デリミテ・ド・
カリテ・シュペリュール)に分類している。

AOCワインは1935年に制定された「原産地統制名称法」に
のっとってつくられたもので、ぶどうの品種や原産地、醸造法等が
厳しく管理・統制された高級品である。

AOCに格付けされると原産地名をラベルに表示することができ、
それがワイン名となる。
原産地は地方名、地区名、村名、畑名と細分化されており、
地域が狭くなるほど格付けが上がる。

最小単位の畑名を名乗れるワインは最も高い格付けである。

有名なロマネ・コンティも、実はブルゴーニュ地方
コート・ド・ニュイ地区ヴオーヌ・ロマネ村
ロマネ・コンティ畑の畑名ワインなのである。

現在AOCワインは約400あり、その多くが
日本に輸入されている。

またAOVDQSは「原産地名称上質指定」ワインのことで、
AOCより規制がややゆるい。

一方テーブルワインのほうは、
ヴァン・ド・ペイとヴァン・ド・ターブルに分かれる。

ヴァン・ド・ペイはその地域の特徴を備えた地ワインのこと。
またヴァン・ド・ターブルは異なる地域のワインをブレンド
したワインのことである。
前者はほとんど地元で消費されるが、後者は最近日本にも
かなり輸入されている。

イタリアの格付け


イタリアでは、指定地域優良ワインがDOCGとDOCに
分類される。

DOCGは「保証付き原産地統制名称」、
DOCは「原産地統制名称」と訳され、
フランスのAOCに当たる高級ワインのことである。
DOCのほうが規制はややゆるい。

またテーブルワインは、ぶどうの品種名と原産地名を
ラベル表示したIGTと、表示しないVdTに分かれる。

IGTの中にはいずれ、フランスの
ヴァン・ド・ペイに相当する
ヴィーニ・ティピチという公的格付けが
適用される予定のものもある。

ドイツの格付け


ドイツワインはドイツ国内のワイン法によって、
Qualitatswein(クヴォリテーツヴァイン・
充分な熟成、または完熟、超完熟のぶどうからつくられるワイン)
と、
Tafelwein(ターフェルヴァイン/
普通の成熟度のぶどうからつくられるテーブルワイン)
の2つに大別される。

クヴオリテーツヴァインはさらにQmP
(クヴォリテーツヴァイン・ミット・プレディカート/Qualitatsweinmit Pradikat)

と、QbA(クヴォリテーツヴァイン・ベシュティムター・
アンバウケビート/Qualitatswein bestimm−
ter Anbaugebiet)

に分かれ、

ターフェルヴァインも
ラントヴァイン 
/Landwein

ドイッチャー・ターフェルヴァイン 
/Deutscher Tafelwein
に分かれる。

QmPは「肩書き付き上質ワイン」と訳され、
産地が限定された最上級のワインを指す。

収穫時のぶどうの糖度により、さらに6つのクラス
(肩書き)がある。

糖度の上がるにつれ、
ガビネット /Kabinett
シュペートレーゼ /Spatlese
アウスレーゼ /Auslese
ベーレンアウスレーゼ /Beerenauslese
アイスヴァイン /Eiswein
トロッケンべーレンアウスレーゼ /
Trockenbeerenauslese

となる。
QbAは「指定地域上質ワイン」のこと。
現在13の指定地域で生産されており、
生産量はドイツで最も多い。

また地ワインに当たるラントヴァインは必ず
トロッケン/Trocken(辛口)か
ハルブトロッケン/Halbtrocke11(半辛口)
に仕上げられ、他のターフエルヴァインよりコクがある。
ドイッチャー・ターフェルヴァインは
主に地元で消費される日常用のワインである。

ワインの飲み頃とは


ワインは熟成のタイプによって、最もコンディションのいい時期、
つまり飲み頃というものがある。

これを間違えると、どんなに優れたワインでも
真の価値を発揮することはできない。

ワインを買うときは

・ヴィンテージによる飲み頃
・ボトル診断による飲み頃

に注意しながら、今まさに「飲み頃」のものを
選ぶようにしたい。

ヴィンテージによる飲み頃


輸入ワインのラベルにはほとんどの場合、
ぶどうの収穫年であるヴィンテージが明記されている。
熟成による飲み頃を知るうえで、これは
欠かせない判断材料である。

[ヌーヴォー・ワイン]
ぶどうを収穫してから数カ月以内に製造した新酒で、
ブルゴーニュ地方のボージョレ地区のものが代表格。
ヴィンテージと同じ年の内に飲みきってしまう方がよい。

[早飲みタイプのワイン]
ガメィ種からつくるボージョレ地区の赤や、
ロワール地方などのワインは、瓶熟させない
ライトボディタイプが多い。
これらはヴィンテージから1〜3年が飲み頃。

[熟成タイプのワイン]
ブルゴーニュ地方の特級畑銘柄は、
白ならヴィンテージから少なくとも8年以上、
赤なら10年以上たってからが飲み頃。
またボルドー地方の有名シャトー銘柄や、
ソーテルヌ地区でつくられる極甘口の貴腐ワインなどは、
10年以上(中には20年以上)たって
飲み頃を迎えるものもある。

[シャンパン]
シャンパンにはヴィンテージが明記されているものと
そうでないものがあるが、ともに店に陳列されているものは
いつでも飲める。
シャンパンは他のワインと違い、出荷した後は
瓶の中で熟成しないため、入手したらなるべく
早く飲んでしまうほうがよい。
日本人術後4〜5年が限度である。

[フォーティファイド・ワイン、フレーヴァード・ワイン]
シェリーやポートなどアルコール度を強化した
フオーテイファイド・ワイン(酒精強化ワイン)は、
初めから長期保存を目的に製造されている。
したがって、店に出ているものならいつでも飲める。
しかし10年もの20年ものといったクラシックなタイプを
買うときは、飲み頃を専門店に相談するほうがよい。
また、独特の香味付けをしたヴェルモットなどの
フレーヴァード・ワイン(アロマタイズド・ワイン)は、
個々に熟成のタイプが異なるが、いずれも出荷されたときが
飲み頃である。

[日常用のテーブルワイン]
テーブルワインの中でも、異なったヴィンテージの
ワインをブレンドしたタイプのものは
大量消費を前提につくられている。
したがって、店に陳列されているものはいつ飲んでもよい。

ボトル診断による飲み頃


ボトルを光に透かしてみることによって、
ワインがよい状態にあるかどうかを判断することができる。

光に透かしてみたとき健全なワインは、
若いものでも熟成を経たものでも、
透明感があって生き生きと輝いている。
くすんだり濁ったりしていたら、
それは病んでいる証拠。避けたほうがよい。

白ワインの中に、ときおり氷砂糖を砕いたような
細かい物質が見えることがある。
これは酒石といって、酒石酸とカリウムが結合したもの。
「ワインのダイヤモンド」とも呼ばれ、有害なものではない。

また年代物の赤ワインの中には、しばしば澱(おり)が
沈殿していることがある。
澱は色素や渋みの成分であるタンニンなどが結合したもの。
ワインの年輪のようなもので、熟成を重ねた証である。
特に心配することはないが、飲むときはデキャンタージュ
して取り除くほうがよいだろう。

ワインを飲む適温


一般に白ワインは冷やして飲み、
赤ワインは室温で飲むのがよいとされているが、
厳密にはワインのタイプによっていくつか区分される。

インの理想保存温度とされている11〜14℃より
低温で飲むワインは、氷と水を入れたワインクーラーで
冷やして飲む。
氷は細かく砕くほど早く冷える。
ワインクーラーがない場合は、飲む数時間前から
冷蔵庫に入れて冷やしておく。
しかしあまり冷やしすぎると、せっかくの
味と香りが失われてしまうので注意が必要。

一方、室温で飲むワインの場合は、
飲む前にしばらく部屋において室温に馴染ませる。
これをシャンブレという。

室温とは16〜18℃を指すので、夏場や暖房の効いた
部屋であまり早くからシャンブレするのは考えものである。
また暖かい部屋でワインを開けると、グラスに注いだ途端に
ワインの温度が上がってしまうので、
あらかじめワインの温度を低めに設定し、
グラスに注いでから少し待つくらいが無難である。

[ワインの適温]
スパークリングワイン  3〜8℃
白・甘口        4〜6℃
シャンパン       6〜8℃
白・辛口        6〜11℃
ロゼ          9〜11℃
赤・早飲みタイプ    10〜12℃
ブルゴーニュ特級畑の白 11〜14℃
赤・ミディアムボディ  12〜15℃
赤・熟成タイプ     15〜18℃
ポートワイン      18〜20℃


抜栓の仕方


1.抜栓のタイミング
飲む直前に抜栓するものと、前もって栓を抜いておく
ものとがある。
気泡が命のスパークリング・ワインや、
微妙なブーケを逃がしたくない高級な年代物、
また若い白ワインやロゼワインは、飲む直前に抜栓する。

反対に赤ワインは1〜1時間半前に抜検する。
こうするとワインが空気に触れてブーケがよく開き、
飲み口がぐっとよくなる。

2.ワインオープナーの使い方
ワインの抜栓には専用のオープナーを使う。
ソムリエはソムリエナイフと呼ばれるプロ用のオープナーを
使うが、これには少しばかりコツが必要。
家庭ではもう少し簡便なものが使いやすい。

3.スパークリング・ワインの抜栓
スパークリング・ワインの抜栓にはワインオープナーを
使わない。
まずコルク栓を押さえながら針金を外す。
次に栓にナプキンをかけ、栓を押さえながらボトルをゆっくり回す。
ボトルの中の圧力で栓がスルスルと上がってきたら、
栓の頭を少し傾けるようにしてガスを抜く。
こうすると抜栓のとき大きな音がしない。
なるべく音を立てず、ガスを逃がさないようにするのが
おいしく飲むコツである。


※ソムリエナイフの使い方

@瓶の喉元にナイフで切れ目を入れ、キャップシールの
上部のみをカットする。下部はそのままにしておく。

Aナイフを収め、スクリュー部分をコルクの中央に
ゆっくりねじ込んでいく。コルクを突き破らないように慎重に。

Bテコ部を瓶口の端にかけて人差し指と親指で固定し、
持ち手を持って静かにコルクを引き上げていく。

Cコルクがほとんど上がってきたらテコ部を
瓶口からはずし、コルクもはずして、
瓶口をナプキンできれいに拭く。

デキャンタージュの仕方


年代物の赤ワインは出荷後も瓶内で
熟成を続けているため、ボトルの中に澱(おり)が溜まる。
デキャンタージュとは、それを取り除くために
グラスに注ぐ前に一度ワインを別の容器
(デキャンタ)に移し替えることをいう。

1.レストランでのデキャンタージュ
レストランではソムリエがデキャンタージュをしてくれる。

まず、パニエに寝かぜたワインを抜栓し、
パニエを右手、デキャンタを左手で持つ。
ろうそくの炎と、ボトルの首の下部と、眼が一直線になるように
ボトルの位置を決め、ワインを静かに移していく。

ボトルの中のワインの量が少なくなり、
ろうそくの光を通してボトルの首のところに
澱が見え始めたら、澱がデキャンタに
流れ落ちる直前で注入をストヅプする。
デキャンタに移したワインはしばらくそのまま置き、
ゆっくり空気に触れさせる。

こうすることによって渋みの素であるタンニンが酸化して
まろやかな味になり、眠っていたブーケも開花して、
一段と飲み口がよくなる。

ただし年代の古い非常にデリケートなワインは、
空気に触れて酸化すると逆にバランスが崩れ、
せっかくの味を損なってしまうことがある。

そう判断されたときはデキャンタージュして
すぐにグラスに注ぐか、あるいは全くデキャンタージュしない。
そうした理由はすべてソムリエが説明してくれる。

2.家庭でのデキャンタージュ
家庭でデキャンタージュする場含も、基本的には
ソムリエと同じ要領で。
しかしパニエやデキャンタがないとか、
技術に自信がないなら、丸一日瓶を立てておくだけでもよい。
澱は自然に瓶底に沈む。
瓶の底にある山型の上げ底は、澱を溜めて
舞い上がらせないようにするための工夫である。
あとは静かにグラスに注げばよい。


ワインをおいしく飲むためのマナー


レストランでワインを飲むときは、
日本酒のようにお互いに注ぎ合うのは避けたい。

ワインをグラスに注ぐのはサービス係の仕事である。
その証拠に、ワインのボトルは客から離れた位置に
置いてあるはず。

ただしカジュアルなレストランでは、
ボトルはテーブルに置くか、ワインクーラーなら
テーブルの傍に置くのが普通である。
そうなっていたら、客自身が注いでよいというサインだ。

その場合でもやはりお互いに注ぎ合うのは避け、
男性が女性に注ぐほうが自然である。
女性だけなら自分で注ぐ。

注文したワインは飲み残さない
ようにするのがベストだが、
もしどうしても飲めないときには、
グラスに注がれる前に断わること。

またボトルに残ったワインが高級なものであれば、
「お店の皆さんでどうぞ」といって下げてもらう。

食前酒にワインを


[食前酒とは]
レストランに行ってテーブルにつくと、まず
「お食事の前に何かお飲み物はいかがですか」と
尋ねられることが多い。

食事の前に酒を飲むのは古代ローマ時代からある習慣で、
適度に胃を刺激し、食欲を増進させる効果がある。
フランス語で食前酒を意味するアペリティフ
(aperitif)も、やはり「食欲増進」という意味である。

食前酒に難しいルールはない。
何を飲もうと自由である。
しかしあまりアルコール度が高い酒では
食事の前から酔ってしまうし、また甘すぎるものは
糖分が口の中に残って食欲をそそらない。

アルコール度が比較的低く、適度な酸味と
苦みがある辛口、これが食前酒には最適である。

[食前酒に適したワイン]
一般的に好まれるのは、フオーテイファイド・ワインの
シェリーやポートの辛口タイプ、またヴェルモットなどの
フレーヴァード・ワイン、天然甘口ワインの中でも
酸味がありさっぱりした味わいのものなどである。

辛口の軽い白ワインや、ブリュット(辛口)のシャンパンも最適。

またカクテルでは、白ワインベースのキール、
スパークリング・ワインベースのキール・ロワイヤルなどが
ポピュラーである。

食後酒にワインを


食後酒はフランス語でデイジェスティフ
(digestif)。消化促進という意味である。

食後酒には胃の中にたまった脂肪分の分解を早め、
もたれた胃をスッキリさせる効果があるので、
アルコール度の高い酒を生で飲むのが基本である。

ぶどうの蒸溜酒であるブランデーが最も適している。

アルコール度の高い酒が苦手なら、ブランデーより
ややアルコール度の低い甘口の白ワインがよい。

またシェリーやポートの甘口タイプ、天然甘口ワインの中でも
さらに甘みが際立ったものなども食後酒に向いている。

とりわけ年代物の貴腐ワインや、いわゆるヴィンテージ・
ポートなどは、高価なブランデーに負けない贅沢な食後酒である。

シャンパンをもっと身近に


シャンパンはクリスマスや誕生日など、
何か祝い事があったときに飲むもの、というイメージが
強いが、ここ数年それもずいぶん変わってきたようだ。
いろいろなシーンでシャンパンが飲まれるようになり、
ぐっと身近な存在になってきた感がある。

実はシャンパンほどあらゆるシチュエーションに
対応できるワインはないのである。

特に極辛口に仕上げた「ブリュット」は、どんな料理にも
よく合う優れものである。

食前酒から食後酒まで一本のワインで通すなら、
シャンパンを選べばまず間違いはない。

また食中酒だけをシャンパンにする場合は、
食前酒にはカシスのリキュールとシャンパンを合わせた
カクテル「キール・ロワイヤル」が、
また食後酒にはアルコール度の高いハーブのリキュール
(たとえば「ベネディクティンDOM」)
をシャンパンで割ったカクテルなどがおすすめである。

ティータイムにもワインを



ケーキには紅茶かコーヒー、と決めつけないで、
たまにはワインを合わせてみるのも粋なスタイル。

たとえばクッキーやビスケット、パウンドケーキなどには、
ナッテイフレーヴァーのドライシェリーや、
やや甘口のシェリーがよく合う。

また、ドゥミ・セック(甘口)のシャンパンや
ミュスカなどのほんのり甘い白ワインは、
ケーキをさらにおいしくしてくれる。

左党と甘党は相容れないわけではなく、
甘いものにもワインはよく合う。

とりわけシャンパンやシェリーは、
甘い・辛いを問わないオールマイティの酒といえる。

幕間にワイングラスを


欧米の伝統ある劇場では、クラシックの音楽会や
オペラが上演される際、観客のドレスコードはフォーマルが常識
(ツーリストや学生の入場を認めている階上の立ち見席は別)。

そんなシチュエーションでは、開宴前や幕間に、
細いフルートグラスでシャンパンやキール・ロワイヤルを
飲む姿がよくみられる。

同じシーンでも、日本の場合は残念ながら、
まだサンドウィッチに炭酸飲料という
パターンが主流である。
しかしサンドウィッチをカナッペに、
炭酸飲料をシャンパンに、そろそろ
持ち替えてみてはどうだろう。

幕間のひとときがぐっとおしゃれになるはずだ。

ギャラリーのオープニングセレモニーや
各種のレセプションでも同じこと。
華やかさを演出してくれるのは断然シャンパンである。

アペリティフ・パーティのすすめ



欧米人は友人などを自宅に誘うとき、よく
「食前酒を飲みにきませんか?」という言い方をする。

食事の招待だろうと思って出向くと、
これが本当に食前酒しか出てこない。
あとはクラッカーやチップスなどの簡単なおつまみ程度。

こうしたアペリティフ・パーティは
おしゃべりがはずむと数時間ということもあるが
たいていは小一時間程度でお開きになるから
招くほうも招かれるほうもいたって気軽。

是非真似してみたい習慣である。

飲み物はなんでもいいのだが、
やはりワイン系統がエレガント。
シャンパンなら最高のもてなしとなる。
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